大志技研株式会社のこだわりは
コーティングの選定から始まります。
研磨とコーティングを一手にまとめられるため、リードタイムの短縮が行えます。また、一般的な材料から難削材にも適したコート種を取りそろえているため、ワークに合わせたコート種を提案できます
コーティングのメリット
1未処理の工具と比較して、切削、送り速度を高め加工時間が短縮できます。
2工具の交換回数を減らし、段取り、不良品発生コストの節減します。
3被膜の持つ化学的安定性は、加工時の構成刃先の発生を抑えます。
コーティングをかける前に
当社で取り扱っているコーティングは、PVD方式(※1)で行われ、処理温度は500℃です。
コーティング可能な材質
ハイス、超硬、サーメットでしたらコーティング可能です。 他の材質については、530℃以上で二回焼き入れをしていることが条件になります。(目安)
SK材、SC材ですと、コーティングの熱で組織が変化し、剥離の危険が高いです。
ロー付けの工具(例超硬付刃エンドミル等)
基本ロー付けした切削工具は、コーティング出来ません。
理由 蝋がコーティングの熱にて溶けてしまい、母材から刃が外れてしまうからです。
例外
・元々付刃の工具でコーティングがかかっている物については、蝋がコーティング の熱にも耐えることが出来る品物と判断されますのでコーティング可能です。
・蝋付け温度が700℃以上であること。組み立て部品でないこと。単一部品であること。
当社おすすめコーティング
ALCRONA PROコーティング
このコーティングは、優れた耐摩耗性、熱衝撃安定性を持ったALCRONAを改良したもので、加工寿命が延びています。
それにより生産性が大幅に向上し、生産数量の増加が見込めます。提案させていただいた企業様からは好評をいただいております。
数本であればテストでお試しもお受けしています。
また、ALCRONA PROの性能を高めた、ALCRONA EVOもございますので、ご興味のあるお客様はぜひ、この機会にご検討ください。
コーティングサービス一覧表
当社では、さまざまな種類の工具についてのコーティングを行っております。
以下の表にないものでも、対応可能な場合がありますので、お気軽にご相談ください。
種類 | 硬度 | 被削材 硬度 |
最高 使用温度 |
摩擦 係数 |
色 | 適している加工 |
---|---|---|---|---|---|---|
TIN | 2,300 | 600℃ | 0.4 | ゴールド | 凡用性の高いコート | |
TICN | 3,000 | 400℃ | 0.4 | ブルーグレー | 金型加工に適している湿式で使用すると効果大 | |
TIALN | 3,300 | HRC~50 | 900℃ | 0.3~0.35 | バイオレット | 金型向けコート 乾式での使用に適している |
Alcrona (アルクローナ) |
3,200 | HRC~54 | 1100℃ | 0.35 | ブルーグレー | 高温でのミーリング、乾式加工。周速度を上げることができる加工能率の向上に適している |
ALNOVA (アルノバ) |
3,200 | 1100℃ | 0.35 | ブルーグレー | 超硬エンドミルに特化したコート。高温、耐酸化に優れている | |
ALDURA (アルデューラ) |
3,300 | HRC~65 | 1100℃ | 0.35~0.4 | ブルーグレー | 高硬度の被削材での加工 超硬工具専門のコート |
HERICA (ヘリカ) |
3,000 | 1100℃ | 0.25 | カッパー | 超硬、ハイスドリルのコートに最適。ドリルなら乾式、湿式双方対応可 | |
CRN | 1,750 | 700℃ | 0.5 | ブラック | アルミ、真鍮、銅等の非鉄金属の切削加工に適している。 | |
DLC | 3000~4,000 | 300℃ | 0.1 | ブラック | 溶着、付着防止に適している軟質金属用加工工具に最適 | |
LATUMA (ラツーマ) |
3,000 | 1000℃ | 0.35 | グレー | 高性能の汎用コート ステンレス鋼のミーリング加工等やドライ、湿式加工 |
|
PERTURA (ペリツーラ) |
3,200 | 1000℃ | 0.25 | パープルグレー | 超硬ドリル専門のコート 鋳鉄や鋳物等加工が困難とされていた被削材の加工 |
*ALDURAコーティングとPERTURAコーティングは超硬の工具のみコーティング可能です。ご注意ください。
新規のコーティングとしてLATUMA(ラツーマ)やPERTURA(ペリツーラ)コートが出ました。是非お試しください。
薄膜処理可能なコーティング=TIN、TICN、Alcrona(アルクローナ)コーティングのみです。
用語解説
膜厚径
膜厚径は6~10ミクロンです。薄膜のコートをご希望の方は、注文書にその旨の記入をお願い致します。特に薄膜(リーマ用のコート 膜厚2~4ミクロン)のコートはリーマ等寸法に厳格なものに最適です。
酸化処理
酸化処理=ドリルによく付いている黒い表面処理の事です。
その他のコーティング
DIA(ダイヤ)コート、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)コート、酸化処理は当社にて扱っております。
WPC処理=表面に凹凸をつくり、コートの密着性をよくする処理です。 WPC処理についても、当社にて扱っております。
PVD:物理的蒸着法のこと
このPVDによる成膜方法は、コーティングの材質を真空炉の中で蒸発させます。そしてその炉の中でイオン化させ、バイアス電圧で加速し、500℃付近で膜生成させるイオンプレーティング法が主流です。
CVD:成分元素を分子状にガス化し、化学反応によって被膜を形成させる方法のこと
処理温度がPVD方法と比較して高温(大体700~1200℃ぐらい)になる点とマスキング(一部コーティングがかからないようにするために行う処理のこと)が出来ない点という2つの特徴があります。
DLCコーティング
処理温度が280℃と通常のPVDコーティングと異なり、低温でコーティングができるという利点があります。又薄膜にて処理することが可能で、0.2~0.5ミクロン等非常に薄い膜を付けることが可能です。通常のDLCコーティングでしたら0.5~3ミクロンにてコーティングすることが可能です。
水蒸気処理(ホモ処理):ドリルにてこの処理を行っています。
ホモ処理は500~550℃の水蒸気中で30~60分加熱し、工具表面にFe3O4を生成させるもので、水蒸気処理とも呼ばれています。この被膜は多孔質のため、切削油剤を保持し易く、摩擦熱の発生を少なくし、溶着を防止します。従って、溶着を生じ易い軟らかく粘い被削材に有効です。 当社では、この処理をおこなっております。
窒化処理:ドリル、タップ等にて使用されています。
窒化処理は500~600℃で鋼の表面層に窒素を拡散させて硬化する処理方法で、塩浴軟窒化、ガス窒化、イオン窒化などがあります。表面を硬化させて耐摩耗性を向上し、また摩耗係数が減少し、工具寿命を延ばします。適用については、耐摩耗性を必要とする鋳鉄などの切削に効果がありますが、欠けが生じ易い加工には注意が必要です。